生産拠点の海外移転

2011.12.24

最近のさらなる円高は、こうしたあり方の維持を困難にしつつある。なぜならば、日本経済の中で最も比較優位の高い、効率的な産業や企業ですら、最近の円の為替レートでは利益を出すことが難しい、あるいは赤字に転落せざるを得ない状況にあるからである。これらの効率の高い部門で輸出企業が赤字に陥らないギリギリの為替レートは一九九四年春あたりでIドル=一一五円ていどであるとされる。もしそうであるとすれば、一ドル=一〇〇円前後の円レートが長期にわたってつづくような事態になると、これらの効率の高い企業ですら長期にわたって存続することは難しくなり、多くの企業はその生産拠点を海外のコストの安い地域に移転させることになるだろう。

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それは当然日本国内の生産活動を空洞化させ雇用機会を減少させることになる。もっとも企業のこうした海外投資や海外移転は短期的には必ずしも産業空洞化や雇用機会の減少にはつながるとは限らない。なぜなら、海外で生産活動を展開するためには工作機械や工場設備などの資本財が必要であるが、それらは少くとも当初は日本で調達し、持ち込まなくてはならないことが多い。





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