「アップ・オア・アウト」の原理

2011.12.30

次のこともまた指摘しておく必要がある。少なくとも現在までのところ、年俸制や業績給の導入は、その本来の形態、すなわち個人の成果に対する毎年の報酬の決定としてではない。もし本来の年俸制が導入されるなら、個人ごとに仕事の目標値が定められ、それを上回る成果に対してはより大きな報酬が与えられ、しかし下回る場合にはその切り下げが待っている。そして高い業績の達成には昇進が与えられ、しかし低い業績が続くなら、解雇が待ち受けている。

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すなわち「アップ(昇進)・オア・アウト(解雇)」の原理であり、ここには雇用の安定や雇用保障という観念自体がありえない。これが欧米のホワイトカラーの上層の年俸制であれば、日本の管理職に導入されつつある年俸制はこうしたものとは異なっている。それは職能等級に基づく賃金を前提とし、しかしボーナスの部分はそれから切り離し、それを業績評価にのみ従うものとし、この二つの合計を年俸とするのが大半である。あるいは業績給の導入も、基本給のうちの年齢給の部分を廃止し、これまでは僅かな部分を占めるだけであった個人ごとの業績に応じた賃金部分の比重を高めるというのが中心のようだ。要するにここからわかることは、年俸制や業績給の導入は、職能資格制度の否定ではなく、むしろそれを前提とし、それと接合できる形で導入されようとしているということだ。





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