負の影響は一時的か

2011.12.16

労働相談に現れた問題はごく一部の現象であるとか、景気が回復すれば否定的な状況も改善されるはずだ、現に失業率は改善されているではないか、という声もある。巷では規制緩和は、新しい経済に適合して発展の基盤をつくるには不可欠なことだという考え方が一般的になっている。しかし、失業率は改善されても、そこで拡大した雇用の質は劣悪で、健康で文化的な最低限度の生活を充足させて「生きる」には値しないものでしかない場合が多い。

[参考]
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そして、生活保護給付を受ける世帯は、小泉内閣が発足した当時の八〇万件から一〇五万件に急増している。日本が「失われた一〇年」から脱却して、景気を回復させても、雇用の二極化や融解現象は構造的に深化・拡大することは間違いない。規制緩和を推し進め、一九九〇年に入って「ニュー・エコノミー」による繁栄がもたらされたアメリカにおいても、「コンテインジェント(臨時)・ワーカー」と呼ばれる低賃金不安定雇用が拡大して労働者全体の三〇%強を占めるに至っている。しかも、「パーマテンピング」と呼ばれる脱法的「長期臨時」が拡大して非正規労働者を保護する立法化の動きも出てきているほどである。そもそも、労働の商取引化や雇用の融解現象は、競争に勝ち抜くための効率化に向けた企業戦略である。景気は回復しても、競争関係を激化させる経済社会構造が維持される限り、この流れが解消されると考えることは非現実的だ。これを食い止める方法は、新しい経済に対応して競争を適切に抑制する労働システムを新たに構築する以外にない。





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